産後うつと似たものに「マタニティブルーズ」がありますね。
両者の違いは何でしょう?
この記事では、産後うつとマタニティブルーズの違いとともに、それぞれの対処法と原因について、ご紹介します。
今、産後で気分が落ち込んでいるママも、大丈夫。
マタニティブルーズはもちろん、産後うつは適切な対処をおこなえば、快方に向かうことだって多いのです。
焦ることはありません。
あなたのペースで大丈夫です。
あなたの苦しみを理解し、サポートしてくれる人は必ずいます。
一緒に乗り越えていきましょうね。
産後うつとマタニティブルーズの違い
産後うつとマタニティブルーズの一番の違いは「治療の必要があるか/ないか」です。
また「症状が2週間以上続いているか/いないか」も大きなポイント。
産後うつは「うつ病」のひとつで、自然に良くなることが難しい「病気」です。症状は2週間以上続き、何らかの治療を必要とします。
一方マタニティブルーズは一過性であることが多く、治療がなくても10日〜2週間ほどで良くなります。
「今の私はどちらなのだろう…」と気になる方のため、産後うつとマタニティブルーズについて、それぞれもう少し詳しくお話ししますね。
産後うつとは
産後うつとは「うつ病」の型のひとつです。
自然と良くなることが難しいれっきとした「病気」のため、自分または家族が産後うつかもしれないと思ったら、早めにかかりつけ医などに相談してください。
産後うつの期間と症状
産後うつは、出産してから数週間〜数か月以内に発症し、症状は2週間以上続きます。
「楽しい」「嬉しい」といった気持ちがなくなってしまうこともしばしば。
主な症状は、次のとおりです。
☑気分の落ち込み
☑感情のコントロールができない
☑わけもなく涙が出てくる
☑寝たいのに目が冴えて眠れない
☑食欲低下または増加
☑イライラ
☑集中力・やる気の低下
☑漠然とした罪悪感
☑不安発作やパニック発作
☑母親失格だと感じる
☑子どもをかわいいと思えない
☑消えてしまいたいと思う
産後うつは「脳の機能障害」
近年の研究では、産後うつは「脳の機能障害」だと考えられています。
つまりは気合いでどうにかなる問題ではなく、自分ではどうしようもないものです。
感染症にかかったり骨折したりしたら病院へいくのと同じように「産後うつかも…」と思った時も、すぐに受診しましょう。
産後うつを放置するとどうなる?
産後うつは自然に良くなることが難しい「病気」です。治療せず放っていると、どんどん長引いて辛くなっていってしまいます。
さらに、ママが産後うつだと初期の母子関係や子どもの発育・発達に対し良くない影響を与えるという報告も。
産後うつの詳しい対処法は後述していますが、大事なのは「誰かに相談すること」です。
とくにお医者さんや自治体の保健師さんたちは頼りがいのあるプロ。引け目に思うことはありません。どんどん頼って大丈夫ですよ。
マタニティブルーズとは
一方、マタニティブルーズはどうでしょうか。
マタニティブルーズは海外ではベビーブルーズともいわれ、産後の軽度抗うつ状態のことを指します。
産後うつと違い一過性のもので、治療せずとも時間がたてば良くなります。
産後うつが「病気」であるのに対し、マタニティブルーズは「正常範囲の変化」といえるでしょう。(とはいえ、マタニティブルーズも辛いですよね…)
マタニティブルーズの期間と症状
マタニティブルーズは産後3日目くらいにピークを迎えますが、10日〜2週間ほどで自然と良くなります。
そのため、とくに治療の必要はありません。
マタニティブルーズの症状は、次のとおりです。
☑急に泣きたくなる
☑涙もろくなる
☑気分が落ち込む
☑情緒が不安定になる
☑不安感・緊張感
☑集中力の低下
☑疲労感
☑食欲の低下
☑イライラ
☑物覚えが悪くなる
症状は産後うつと似ていますね。
見分けるポイントは、①症状が2週間以上続いているか②楽しいと思う気持ちがあるか、です。
マタニティブルーズの注意点
マタニティブルーズは正常範囲の変化とお伝えしましたが、注意したい点もあります。
それは「産後うつへの移行」です。
通常、マタニティブルーズは2週間以内に自然と良くなりますが、いつまでも改善せず長引く場合は、産後うつへ移行してしまった可能性が考えられます。
その場合は、重症化する前に早めの対処が必要です。詳しい対処法については、次の項でご紹介します。
産後うつとマタニティブルーズの対処法
産後うつとマタニティブルーズの対処法について、それぞれご紹介します。
産後うつの対処法
産後うつの可能性があれば、すぐにかかりつけの産婦人科やメンタルクリニック、精神科を受診してください。
産後うつが軽度であれば、カウンセリングだけでも改善することもあります。
「いきなり精神科はハードルが高い…」と感じる時は、自治体の窓口に相談するのもよいでしょう。
自治体の保健師さんたちは親身に話を聞いてくれますし、必要があれば適切な医療機関を紹介してくれます。
また産後うつの改善には、周囲のサポートと理解が必要不可欠です。
当人であるママの口から伝えるのが辛い場合は、パパやおばあちゃん、おじいちゃんに、このブログを直接見てもらってもよいでしょう。
<産後うつと戦うママをサポートして
くれるあなたへ…>
まずは、ママのSOSに気づいてくれて、ありがとうございます。
きっとそれだけでも、ママの心は少し軽くなったことでしょう。
あなた自身も驚きと戸惑いの気持ちだと存じますが、ママにはあなたの助けが必要です。
ママの辛い気持ちに寄り添って、赤ちゃんのお世話や家事など、できるだけ協力してあげてください。
その時「頑張れ」とか「母親なんだからしっかりしろ」と言ってはいけません。
ママを励ましたいあなたの気持ちはとてもよく分かるのですが、かえってママを追い詰めかねないのです。
この記事やブログでも紹介しているように、産後うつは、治療が必要な「病気」です。
本人の気合でどうにかなるものでも、ましてや甘えでもありません。
産後うつを正しく理解して、病気と必死に戦うママを助けてあげてください。
マタニティブルーズの対処法
マタニティブルーズになったら、次の対処法を試してみてください。
- まとまった睡眠をとる
- 辛い気持ちを誰かに聞いてもらう
- 気分転換をする
- リラックスする
まとまった睡眠をとる
マタニティブルーズになったら、まずはしっかりと睡眠をとりましょう。
睡眠不足からくる精神的ストレスや疲労はマタニティブルーズの原因になるため、まとまった睡眠をとり十分に休息をとることが大切です。
「王様の夢枕」
赤ちゃんを信頼できる人に預け、すっきりするまで眠れるよう協力してもらいましょう。
辛い気持ちを誰かに聞いてもらう
辛い気持ちを誰かに聞いてもらうことも、マタニティブルーズ改善の一手です。気持ちを溜め込むばかりでは、キャパオーバーになってますます辛くなってしまいます。
パパやおばあちゃん、助産師さんや自治体の相談窓口など、話しやすい人に気持ちを吐き出してみてください。
気分転換をする
軽い運動や、趣味の時間をつくって気分転換するのも、マタニティブルーズ対処法のひとつです。
ただし運動をする場合は、あくまで軽くおこなうようにしてください。
マタニティブルースが表れる産後2週間は、まだまだ安静が必要な時期。この時期に激しく運動をすると、身体に負担がかかりすぎてしまいます。
軽いストレッチやウォーキング、寝たままの体操などが望ましいでしょう。
リラックスする
ホッと一息ついてリラックスするのも、マタニティブルーズ改善に効果的です。
アロマを炊いたりして、好きな香りに包まれるのもいいですね。個人的には、フレーバー付きのルイボスティーもおすすめですよ。
あたためたルイボスティーはリラックス効果や睡眠の質を高める効果がある上、ノンカフェインですから母乳への影響も心配ありません。
「ルピシア お茶 紅茶 ティー フレーバー」
マタニティブルーズは、長くても2週間ほどで自然と良くなっていきます。
雨宿りをする感覚で、辛い時期を乗り越えましょう。
なぜ嬉しいはずの出産で悲しくなるの?【原因】
そもそも、なぜ嬉しいはずの我が子の誕生で、悲しい気持ちになってしまうのでしょう?
産後うつやマタニティブルーズの原因は、出産による急激なホルモンバランスの変化や、睡眠不足によるストレスや疲労だといわれます。
女性は生涯を通し、男性に比べて2倍もうつ病になりやすいのです。
産後はとくにうつ病の発症率が高い時期。
決して母親になる資格がないとか、あなたが弱いなどということではありませんよ。
産後うつやマタニティブルーズになったら、早めに助けを求めよう
産後うつとマタニティブルーズには治療の必要性や期間などの違いはあるものの、本人にとって、どちらもとても辛いものです。
大切なのは、周りに「助けて」と言うこと。
産後うつもマタニティブルーズも、あなたが弱いからなったわけでは決してありません。
ひとりで抱え込むことはないです。
上手に周りを頼って、辛い状況を乗り越えましょう。
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