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【産後の肥立ちって海外にもあるの?】アメリカで産後すぐ復帰の理由

産後

日本ではよく「産後の肥立ちが悪くなるから、1ヶ月は安静にしなさい」といわれますよね。

ですが「アメリカでは産後すぐに仕事復帰する」「海外では出産したら翌日に退院」なんて話を聞いた方もいるかもしれません。

産後の肥立ちって、海外にはない考え方なのでしょうか?

そこで今回は

【産後の肥立ちは海外にもあるのか】

【なぜアメリカでは産後すぐに復帰するのか】

などについてご紹介します。

同じ海外でも、産後の肥立ちの概念がある国・ない国がありますので、知ってみると面白いですよ。

産後の肥立ちって海外にもあるの?

結論からいうと「産後の肥立ち」の概念は海外にもあります。

ただし全世界ではなく、一部の国のみです。

海外と聞いて多くの人がパッと思いつくのはアメリカかと思いますが、アメリカには産後の肥立ちの考え方はありません。

制度の問題もあって、アメリカでは産後にすぐ復帰する人が多いのです。

アメリカでは産後すぐ復帰…なぜ?

アメリカには産後の肥立ちの概念はありません。それどころか、産後2週間〜3ヶ月までの短い間に仕事に復帰する人も多いです。

これはアメリカの産休制度の問題と、無痛分娩が主流であることが理由に挙げられます。

産休制度が整っていない

アメリカでは、意外にも産休・育休制度が整っていません。

州によっては制度があるところもありますが、アメリカの産休制度はあくまで「雇用を保証する」もの。

日本のように手当が支給されるわけではなく、期間も3ヶ月しかありません。

そのため経済的に苦しい家庭ではやむを得ず、すぐに仕事に復帰せざるを得ないのです。

アメリカで働くママの7割以上は産後3ヶ月以内に復帰し、2週間で復帰する人も少なくないといわれます。

無痛分娩が主流

アメリカでは無痛分娩が主流です。

自然分娩よりも負担が少ないので、身体の戻りも比較的早く進みます。

無痛分娩だと、出産した当日から自力で歩き、翌日には車を運転して帰る人もいるそうです。

海外の産後の過ごし方

アメリカ以外の海外では、産後どのような過ごし方をしているのでしょう。

じつは日本のように産後の肥立ちの考えをもつ国もあり、多くの国で産後のママや家族をサポートする体制が整っています。

韓国

お隣の国・韓国には、産後の肥立ちの概念があります。

「三七日」といって、産後21日間は人に会わず安静に過ごす習わしです。

近年は産後ケアホテルも充実し、出産したママがゆっくりと過ごせる環境が整っています。産後ママのケアに関しては、世界で一番ともいわれるほど。

女優の小雪さんが出産後に韓国の産後ケアホテルを利用したことで、話題になりました。

台湾&中国

台湾や中国にも、産後の肥立ちの概念があります。

こちらは「座月子(ズオユエズ)」といい、やはり1ヶ月程度を安静にして過ごします。

「月子保母」と呼ばれる産後ケアシッターをお願いしたり、産後ケアセンターを利用したりするなど、産後ママに優しい制度が充実しています。

イギリス&東南アジア

イギリスや東南アジアでは「ナニー」や「ドゥーラ」という専門職があり、産後のママを自宅でもサポートしてくれます。

イギリスはアメリカよりさらに入院期間が短く、キャサリン妃が「日帰り出産」したことでも注目されました。

キャサリン妃の「7時間退院」はイギリスでも特例ですが、退院が早いのは「病院より家の方がリラックスできる」という価値観によるものです。

産後2週間は「パタニティー休暇」がとれるので、パパたちも育児に積極的に参加します。

フィンランド

フィンランドには、妊娠中〜子どもが6歳になるまでの期間をサポートしてくれる「ネウヴォラ」という施設があります。

「ネウヴォラ」はママだけでなく、赤ちゃんや家族全体をも支援してくれます。

産前産後の親子の健康管理やケア、さらに学校との連携など、ママたちの力強い味方です。

オーストラリア&ニュージーランド

日本でいう助産師さんですが、「ミッドワイフ」という役職があります。

ミッドワイフは妊娠中〜産後1ヶ月くらいまで、相談や産後ケアについてサポートしてくれます。

産後の肥立ちが悪いと入院になる?

ひと括りに「海外」といっても国によって産後のサポート体制にはちがいがありましたが、アメリカの産後の過ごし方を聞いて、こんな風に思った方はいませんか?

「アメリカでは産後すぐに復帰する人が多いなら、産後の肥立ちってそれほど気にしなくてもいいのでは?」

ところがそれは大きな誤解で、産後は最低1ヶ月はゆっくりと身体を休める必要があります。

産後の肥立ちが悪くなったことで、入院になったケースもあるほどなんです。

入院となった実際のケース

ネット上にあった、助産師さんの話です。

とあるママさんが、元気だからと退院後すぐにバリバリと働き始めました。

はじめは調子よく働いていましたが、3〜4ヶ月もすると体調が崩れ始め、ついにはホルモン異常を引き起こし入院となってしまったのです。

産後のママの身体は、交通事故にあったときと同じくらいのダメージを負っているといわれます。

せめて産褥期の間は、安静にして過ごしていただきたいものです。

アメリカで仕事復帰が早いのもネガティブな理由から

産後でも仕事復帰が早いアメリカですが、決してポジティブな理由ではありません。

「産後すぐに復帰してバリバリキャリアを伸ばすぞ!」という意欲的な理由よりも「経済的に不安があり、制度もないので仕方なく…」というネガティブな理由から、産後すぐに働く人が多いのが現状です。

無痛分娩で出産時の負担が少ないために無理がきいてしまうことも、早すぎる仕事復帰に拍車をかけてしまっています。

「アメリカではそうしているから…」といって、同じように無理をするのはやめましょう。

産後の肥立ちが悪いときの症状

そもそも「産後の肥立ちが悪い」とは、どのような状態なのでしょう?

表れる症状として、次の5つが挙げられます。

免疫力の低下

産後、まだ身体が回復する前に動きすぎると、いつも以上に疲労が溜まり、免疫力が低下します。

子宮の戻りが悪い

妊娠中に大きくなった子宮は産後じわじわと元の大きさに戻っていきますが、無理をしすぎると母体の回復が遅れ、子宮復古不全に。

悪露がなかなか減らなかったり、細菌感染を起こしたりします。

膀胱炎

免疫力が低下や悪露による汚染などのため、膀胱炎になりやすくなります。

膀胱炎は悪化すると、腹痛や発熱も引き起こします。

更年期障害がひどくなる

産後の肥立ちが悪いときの症状として、有名なものです。

女性ホルモンや甲状腺ホルモンの乱れが更年期障害や婦人科系の病気に影響するため、このようにいわれます。

産後はホルモンバランスが大きく乱れるため、安静にして早く母体を回復させることが大切です。

マタニティブルーズや産後うつ

ホルモンバランスの大きな乱れは、マタニティブルーズや産後うつを引き起こす可能性があります。

産褥期はできるだけ安静にし、身体の回復を第一に考えるようにしましょう。

気持ちのいい寝具を使ったりリラックス効果のあるお茶を飲んだりして、心身を労わってください。

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日本と海外では制度がちがう…産後1ヶ月は安静に

いかがでしたか?

今回は【産後の肥立ちの概念は海外にもあるのか】を中心に【アメリカで産後すぐ仕事復帰する人が多いのはなぜか】【海外の産後の過ごし方】などをお伝えしました。

産後の肥立ちの概念の有無は国によってちがいますが、多くの国で産後のママをサポートする体制が整っています。

アメリカでは産後もすぐ復帰する人が多いのは事実ですが、それは産休制度がないことによるネガティブな理由からです。

同じように無理をすることは決してしないでください。

世界中どの国でも、ママたちが安心して子育てできる環境が整うことを願っています。

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